一人暮らししたいなあ。私も一介のかよわい女子であるために、一人暮らしをしたら男物のパンツをこれみよがしに干したりしよう。毎日同じパンツじゃすぐにばれてしまうので、でも毎日違うパンツを洗濯に出してくれる恋人が家の中にいるわけでもないので、男物のパンツを買いこんで日替わりでいろいろなパンツを干すんだ。
虚構の恋人のパンツを干すという行為ほど物語屋さん的な行為はないよね、今日はこのパンツ、今日はあのパンツ、今日は仲直りしたのでちょっといいパンツ、パンツを忘れて行った出張から帰って来た今日は、普通のパンツといかにもコンビニで買ったようなパンツを並べて干して、今日は男は疲れていたので、高校時代からはいている、ちょっと悲しい気持ちの時にはくパンツ。男が夜遊びに行った昨晩を私はおぼこいかわい子ちゃんと過ごしたので、今日はその少年の、背伸びしたボクサーパンツを干すんだ。一人暮らしのわたしは、一人でそうやってパンツを干すんだ。