桃色の恋に悩んだあとまたチュウしたくなるぅッ(*^o^*)↑ という歌詞からは想い人と心の通じない苦しみの中せめて身体だけの関係でもという作中主体の思い詰めた恋心が読み取れる。 それを踏まえて読むと「手作りのおにぎりランチ中身はきっとロシアンルーレットね もうひとつ食べたいわ もうひとつ食べたいわ」という一見意味不明な部分も、彼女の自暴自棄な心境、希死念慮の高まりの表れと理解できよう。 「手作り」「おにぎりランチ」といった牧歌的な文脈に突如あらわれ読者をぞっとさせるロシアンルーレットというゲームはお互いの生と死をその場に引き出すエロティックなアイコンであり、一見平等な死の可能性を「もうひとつ食べたいわ」と何度も求めるその姿に女の情念が滲む。 かなわぬ恋の狂おしさを歌ったこの曲のタイトルが「フレンジャー」であるのは、「私とあなたはいつまでたっても友達でしかない」という理解が一般的であるが、ここでは「不倫ジャー」という新しい解釈を紹介してこの考察の締めくくりとしたい。